そもそも「位数制」
【位数制とは】
仏壇や位牌、お墓は「祭祀財産」として、元々は家建物や土地の承継と不可分でした。
位数は先祖代々にわたる寺檀関係を基づいて設定されて、(当寺では)最大7位(7段階)まであり、新規入檀の際は原則として1位が当てられています。経常費の負担金も位数に基づいて算出され、最大7倍の負担格差となっています。
また寺院護持に関する役職にも、位数を一定考慮して任命されている面があります。
例えるならば、石垣は古来から組み上げられた「石垣」のような制度です。それぞれの大きさに合わせて石組みの均衡が保たれ、長年に渡って「お寺の土台」を支えていました。
一方で、周辺地域の宅地造成に伴い、昭和50年代頃から当寺の新入檀が増えつつありますが、現在では全檀信徒戸数の半数以上が1位となっています。
土地や家を当代において自力で確保することが増えたことで、従来の「家制度」の仕組みが緩んで一般財産との切り分けが進み、「祭祀財産を承継する」という前提や意識が低下しつつあります。また位数が檀信徒各戸の現在の実勢と必ずしも一致しているとは限らず、他寺では位数制の撤廃に踏み切った例もあります。
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