お義母さんへ
お義母さんが好きだったノウゼンンカズラが、今年はいつもよりたくさんの花をつけています。
寒さの苦手なお義母さんは、七月の誕生日を待たず二月の末、静かに彼岸へと旅立たれましたね。一緒に暮らした三十八年。家庭の事も、世間の事も、勿論お寺の事も、何もわからない私を陰になり、陽になり支え、導いていただいた事、感謝の思いでいっぱいです。
「仏にも まさる心と 知らずして オニババアとや 人の言うらん」
嫁いで間にない私に、歌人・与謝野晶子が、姑さんから「オニババア…」と下の句を示され、「仏にも…」と返した、というお話をして下さいましたね。今、この歌の意味を深く噛みしめています。
先代の住職であったお義父さんの亡き後、「二人三脚でなく、方丈さんと、あなたと、私と、三人三脚でお寺を守らんといけんけんね」と、一心不乱に守ってこられた宗淵寺。今は副住夫婦も一緒に、頑張っていますよ。
長い間、本当にお疲れ様でした。この上はどうぞ、ゆっくりお休み下さい。
お盆には〝おおごっつぉ〟して、お帰りをお待ちしていますよ。合掌(寺族・靖子 記)<宗淵寺寺報『がたぴし』第11号所収>
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