檀信徒
当寺は寺檀関係によって運営されています。
当寺の活動は、檀信徒との日常的なお付き合いが基盤となっています。例えるならば「会員制のお寺」とも言い換えられるかもしれません。
具体的に「檀信徒との日常的なお付き合い」とは、
〈当寺として〉
- 仏教の教えや伝統に基づいた祭祀供養を執り行う。(例:葬儀、法事、お盆の棚経など)
- 仏教や曹洞宗の教えをお伝えし、共に信仰する。 (例:法話、坐禅など)
- 各種行事によって、檀信徒同士や地域の寄合としての場を提供する。(例:灯籠流し、除夜の鐘など)
〈檀信徒からは〉
- 寺院運営に必要な諸経費を納めていただく。(例:経常費、伽藍整備積立金、観音講会費など)
- 積善・追善の供養として布施していただく。
- (努力目標として)行事や奉仕活動に参加していただく。
主にこれらの内容が挙げられます。
檀信徒とは「檀徒」と「信徒」を合わせた言葉です。
「信徒」とは信者のこと、「檀徒」の「檀」とは「与える」、つまり「布施」と同じ意味で、「広く普く施す」「喜捨する」という意味を持ちます。
原則として当寺は、「檀家」としてではなく「檀信徒」を対象の単位としています。
ただしこれは、伝統的な「家制度」自体を否定するものではありません。いわゆる跡取りがなくても、当代限りの寺檀関係もある得ることを想定してのことです。
檀主と祭祀権
「檀信徒」について、もう少し詳しく説明します。
当寺は特定の個人である「檀主」に対して、窓口として様々なご案内をし、祭祀や寺院護持に関するやり取りをします。
檀主は祭祀権を有し、自身の祭祀権域における檀信徒の代表者、祭祀に関わる最終決定を下す人です。
「祭祀権」とは、親族や承継した祭祀財産(仏壇やお墓)に関して葬儀や法事を主宰する権利です。
一般的には葬儀の喪主や、祭祀財産を有する世帯主・戸主が檀主となります。
檀主の祭祀権が及ぶ「親族」の範疇は、「配偶者を含む3親等以内」が一般的ですが、現代では多様な生き方が求められていることを踏まえて、当寺では親族の定義を厳格にせず、その状況によって檀主と協議して判断させていただきます。(※)
また、代替わりなどで祭祀権が承継される際には、その承継者に寺檀関係を継続するか否かの意思を確認します。
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