高知・須崎 拾い歩き

先週、所用で高知市に1泊。
到着した日の昼食は、熱々グルメ好きとして以前から食べてみたかった須崎市のご当地グルメ「鍋焼きラーメン」を求めて、有名店の『橋本食堂』さんまで足を伸ばしました。

高知市から車でおよそ40分のところにある須崎市のご当地グルメ、鍋焼きラーメン。その提供店は須崎市の住宅街の一画に点在しており、車でお店の近くまで行くには狭い生活道路を通らねばならない上に、駐車場も少なく、ナビを見ながら進入すると当たり擦り必至。
そこで、「鍋焼きラーメン街」への進入路の手前にあるトンネルの向こうに車を置き、およそ500mの道を歩いて、お店に向かうことにしました。

歩行者専用のトンネル。この先が「鍋焼きラーメン街」。長くて暗くて、ピーカンな日でもどこか湿り気を感じます。
入ると早速ありました。この手の場所には必ずある、若気の至り、ストリートアートを消した痕跡。
このトンネルは生活道路で老若男女が利用するようなので、ヤンチャな気配を廃し、健全化しなければなりません。
うわっ。人為的ではないのでしょうが、ちょっと気味が悪いです。大蛇の食道でも通っている気分。
そして…
あぁ…、やっぱりありました。男子中学生が衝動的に描く、シンボルのアイコン。
なぜか苔生したところにだけ残される、メッセージもクリエイティビティもないけれど、時代も場所も越えて伝わり続ける、中二病というエバーグリーン(苔だけに)。
トンネルを抜けた先。左は車専用、右が歩行者専用。
住宅街だと思って歩いていると、所々にレトロなお店があります。貸本屋はもうやってないのかな?
「米」。
元米屋だったのでしょうか?黒く塗り消したつもりでしょうか。でもなぜ「米」だけ残す?
それとも本当に米さん宅?
『夢クラブ』。どう見ても「大人の夜の社交場」なのですが、
「西洋居酒屋」という業態の標榜に、どこかごまかしを感じます。
浄土真宗本願寺派の圓教寺さん。本堂の前に立派というか威容を誇る大イチョウが。
大きな乳房のような瘤があることから「乳いちょう」や「水吹きいちょう」と言われているそうです。
それにしても、先ほどから500mくらいしか歩いていませんが、住宅街なのに、そこはかとなく夜の香り、淫靡感漂う往来です。
目的地の『橋本食堂』さん。

左の出入口がお店なのですが、右手前は自転車屋さんのようです。そちらでオヤジさんがずっと待機してますが、仕事は忙しくなさそうで、前に車が通る度に出てきて、駐車場の案内をしていました。なにぶん住宅街ですから、近隣住民にご迷惑はかけれないのでしょう。

ラーメン屋に入ると、こちらはご婦人方が厨房も接客も切り盛りしておられました。自転車屋のオヤジさんは、差し詰めオーナーでしょうか。
カウンターに座ると「橋本自轉車店」の灰皿。やはり元々は自転車屋が本業のようですね。それがなぜ鍋焼きラーメンの名店になったのか、事情はよく分かりません。

メニューはラーメンの普通、大、特大。それとご飯の小、中、大のみ。
最近は、ラーメンライスは基本的に控えているのですが、「旅のラーメンライスは食べ捨て」。今回はラーメン大と小ライスを注文。でも、これが正解でした。
こちらが須崎市ご当地グルメの鍋焼きラーメンです。具はネギとちくわ、それを麺に埋もれていますが鶏肉と玉子が入っています。
麺は鍋焼きでもコシがあります。熱々の鶏ガラスープはさっぱりしていてとても美味しく、食べ飽きはしませんが、量の割に具が少ないので、味の変化があまりありません。
そこで重要なのが、生で投入して少し煮固まった玉子を、いつ崩し混ぜるのか。それとやはりご飯です。この二つで味変させながら食べるのが、このラーメンのミソなのでしょう(鶏ガラですが)。

案の定、私の隣のお客さんは、最初ラーメンのみを注文していましたが、後でご飯を追加注文していました。いずれにしても、よくご飯がすすむラーメンです。
別のお店では、予めラーメンの中にご飯をいれた「先入雑炊鍋焼きラーメン」なるメニューもあるそうですが、納得です。
そこで、ハッと思い出しました。先ほど通ってきたところにあった、
「米」。
これ、もしかして「鍋焼きラーメンには、米だよ」というメッセージだったのでしょうか。

いずれにしても須崎市の「鍋焼きラーメン」は、名古屋の「味噌煮込みうどん」に負けず劣らずの猫舌お断り、口内やけどと食道炎注意の、激アツ激ウマグルメでした。(副住職 記)

宗淵寺/願興寺

島根県松江市にある曹洞宗寺院・臥龍山宗淵寺と、境内に奉祀されている出雲観音霊場第二十三番札所・新美山願興寺からのお知らせや山内行事の報告、さらに住職や寺族、檀信徒の日暮らし、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつづっています。

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